2015年6月6日土曜日

京都を旅する

今日も平日と同じ時間に目が覚めた。けれど予定もないので二度寝して、10時頃から動き始めた。朝食を取って一通り部屋の掃除をしたあと、さてどうしようかと思う。ここ2ヶ月は布団を床に敷いて寝ているので、ベッドを処分しようと思っていた。けれど何だか気持ちが向かない。とりあえず、友人の結婚式の出欠ハガキを出しに近所のポストまで歩くことにした。ものの2分でポストへの投函を終える。目の前のコンビニに寄って雑誌を立ち読みして、カフェオレを買ってぶらぶら歩いた。

川沿いに来たところで、ふとpha氏のブログ記事「一人で意味もなくビジネスホテルに泊まるのが好きだ」を思い出した。この土日は予定が流れたので、ちょっとやってみたい。電車でふらっと行けそうな場所はどこだろうと想像しながら、住宅街を抜けて自宅に戻る。和歌山、姫路…色々想像するけれど「東山の和室でいいのでは」と思えてしまう。そうか。一泊するかどうかはともかく、なんとなく自宅にいたくない。家を出たいのだ。そう気がついたので、リュックにいつもの荷物と下着類、パソコン、充電器類だけ詰めて家を出る。気が向いたらどこかで一泊するかもしれない。3時間くらいで家に帰って来てもいい。

とりあえず最寄りの駅に向かって歩き出す。駅の真上に高速バス乗り場があることを、歩きながら思い出す。片道3時間くらいで行ける場所にバスが出ていれば、ふらっと乗ってみたい。そうだ、電車に乗って移動するのはなんだか気が向かなかったけど、バスならいいかもしれない。そんなことを考えていると、時刻表の前に着く。ほとんどのバスがすでに出発しているか、次の便まで3時間ほど待つ必要があった。唯一乗れそうなのは40分後の広島行きで、駅のwifiを使って所要時間を調べると、6時間。これは長すぎる。顔を上げると雨が降り出していた。傘もないので、今さら自宅に戻る気もしない。とりあえず、改札を抜けてホームの待合室に入る。京都方面であれば定期券範囲内なので、お金をかけずに移動できる。気が変わったら帰ってきたらいい。そう考えながら文庫本を開くと、ほどなく電車がやって来た。「これに乗れば景色が変わる」という期待のようなものが生まれたので乗ることにする。

通勤の場合はいつも特急に乗り換えるけれど、今日は急ぐ必要がない。準急列車に乗ったまま少し眠る。駅に到着し、改札を抜けて地上に出る。そう言えば近くのCDショップが改装されてカフェと一体になっていたので少し見てみたい。店内は1階がカフェ、地下がCD・本・雑貨屋になっていた。本の配列や、置いてある文具や、照明のどれもがおしゃれな感じだ。なんとなく店内をぶらつく。興味のあった本を見つけて手に取る。けれどレジには向かわない。特に欲しいものがないということは最初から分かっていたので、店を出る。とりあえずお昼を食べたいと思って歩き始める。なんとなくラーメンが食べたいような気がするけれど、スーパーで買出しして東山の和室で食べてもいい。通りを歩いていていると、服屋が次々と目に入る。街や店からは強い引力が働いていて、どんどん店に引き寄せられるような気がしてくる。僕はかろうじて、地下鉄東山駅そばにある和室の引力によってバランスを保って、店に入らないまま歩いている。特に今服が欲しいわけではない。

少し歩くとちょうどバスが停留所に来た。祇園方面に向かうバス。僕はドアが閉まる直前に飛び乗る。バスは走り始める。どこで降りるかは決めていない。さっきまで歩いていたのに、今は倍以上のスピードで走っている。「バスを待った」という感覚がないので、歩く延長でワープでもしているような気分になる。祇園まで行こうかどうか迷ったけれど、スピードが変わった楽しさを感じられて満足していた。バスの定期を提示して、四条京阪で降りる。鴨川沿いを歩こうと思ったけれど、川端通の東側に降りたので戻るのが面倒だ。とりあえず祇園の街に入る。夜の街の昼の姿はなんだか不思議だ。スナックやバーの看板が連なっているけれどネオンは灯いていない。空が青い。ほとんどの店が準備中か閉まっている。夜は多額のお金がここで動くはずなのに、その気配がない。誰も僕にお金を使えと要求しない。使おうとしても、使えない。ゴツい外車に乗ったスーツ姿の男性、修学旅行生の5人組、ジョギングする夫婦、外国人バックパッカー、着物体験姿の女性グループ。リュックを背負ったジーンズ姿の男。

祇園の街を徘徊して疲れたので、昼ごはんを食べることにする。めぼしい食事処もなく、やはりスーパーに寄って東山の和室で食べることにする。ごはんと、レトルトカレーとコロッケを買う。お腹を見たして2時間昼寝し、今これを書いている。みやこめっせに来たので、更新する。








0 件のコメント:

コメントを投稿