帰りにマクドナルドに寄る。
ガラス越しに大通りの見える席に座って、しばらくぼーっとする。最近は持ち歩いていなかったノートパソコンを取り出して、仕事用のスケジュールをGoogleカレンダーに書き写す。これで荷物が一つ減らせるのではないかと想像する。本を取り出してゼミのレポートを書こうとするけれど、いまいち集中できなくてやめる。
パソコンにイヤホンをつないで、うすく音楽をかける。店内の話し声とドラムフレーズが混ざって現実感が薄らいでいく。歩道には右に左に人が行き交っている。
正面の車道に白い軽自動車が停まっている。窓ガラスには黄色い「M」のマークが上から潰されたように縮んで映り込んでいて、今自分はマクドナルドに居るのだと思い出す。
仕事帰りのサラリーマンに混じって浴衣姿の人が目に入る。今日は確か祇園祭の宵山で、何年か前に初めて宵山の街に出た時は歩行者天国に露店がたくさん出ていた。今日もそんな風になるのだろうか、と思いながら外を眺めていると、今見えている風景が何かが始まる「前」のように見えてくる。けれど車道に車は走っているし、露店が出る気配はない。僕は祇園祭のことを詳しく知らない。
こうしてブログを書いているときはノートパソコンのモニタに焦点が合っていて、歩道をゆく人の足という足が、ガラス越しにぼやけて視界に入っては消えていく。
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