「書生をしている」という友人の大谷さんを訪ねた。
前回の記事 東山に、書生を訪ねる
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仕事のお昼休み、食堂でテイクアウトできる唐揚げカレーを買って自分の机のある部屋に戻って食べる。前日に書生を訪ねてその様子をブログに書いていたので、大谷さんはきっとみやこめっせでネットにつないで読んだはずだと思いながらiPhoneからブログが更新されているかどうかを確認するとやはり更新されている。
記事を読みながらこれは一体何なのかと驚きとも何ともつかないような心持ちでとにかく読み進める。一文一文を読むごとにぼくがあの和室で体験したことの答え合わせが書いてあるようで一体これは何なのだろうかとやはり思いながら読み進める。
スイカが置いてあったのも焼酎は空だったのにウォッカが余っていたのも見覚えのない扇風機があったのもコップがたくさんあったことも全ての理由が明らかになっている。これはもう同じ場面を違う登場人物の視点から描いた小説としか思えなくて、いや確かに小説のようではあるのだけれど事実であって、けれど読んでも読んでも「interesting男」が実在するような気がせず不思議な感覚になる。事実は小説よりも奇なりという言葉があるけれど、小説と比較される対象としての事実という扱いなのだけれどもうこれは小説のような事実であって事実のような小説だ。
あのアパートにはぼくたちのほかに住人がいて、というかぼくたちは毎日暮らしていないので住人と言えるかどうか怪しいのだけれど確かにほかの住人がいて、物音がするたびにその存在を感じてはいて、けれど実際に姿を見たことのある人は少なくてまさかいきなり扇風機をくれたり部屋に入ってきて一緒に飲んだりしているという光景がありありと想像出来るのだけれど現実感がまるでない。
うわあ、と声にならない声を唐揚げカレーを食べながら出して唐揚げをつつく。
夕方仕事終わりに大谷さんから着信が入っているのがわかってかけ返す。もうなんというか半ば興奮状態で少しの間話す。もう答え合わせかと思うようなブログでしたよ。現実とは思えないですよ。昨日現場にいた友人のむっきーと今日も一緒だというが人と会う用事があって行くことができない。これだから予定を入れるとこういうことが起こってしまうというようなことを思いながら電話を切る。
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