朝、物置の私物を片付ける。
隣の部屋から弟が起きてくる。
廊下に、長年放置された段ボールが数箱目に入る。
ぼくがこれを片付け始めると、弟も作業に加わる。
「小さい頃に買ってもらった本は捨てにくいよな」
「せやなあ」と話す。
絵本と児童書の入った段ボールだけが廊下に残る。
「おお、廊下が通りやすい」と弟は笑う。
弟と昼食の相談をする。
彼は「生協のパン屋がおいしい」という。
ぼくは「この吹雪で外出るの面倒やな」とつぶやく。
弟は「でも美味しいパン食べれるならええけどな」という。
「確かにそやな」とこたえて支度をする。
外に出ると、吹雪はおさまっている。
リニューアルした古墳公園
移転してきた私立高校
廃墟になったスーパーの跡地
目に入るものの話をしながら、とぼとぼと歩く。
生協に着く。
のぼりの「挽きたてコーヒー」を、ぼくは「炊きたて」と読み違える。
弟が笑う。
パンのコーナーに行く。
「『ハイジの白パン』やって」ぼくはいう。
「それ前に買おうとして止めたやつや」弟がいう。
「まあ名前に魅かれるけど、普通のパンやしな」とぼくは返す。
それぞれ2個ずつ選び、
ウインナーのパンを2人で分けることを決める。
購入したパンを、持って来た手提げ袋に入れる。
ぼくは、切れてしまったゴミ袋を買いに売り場に寄る。
店を出て「レジの女の子が可愛かったわ」とぼくはいう。
「なんやそれ」と弟は笑う。
傘をさして歩き始める。
弟が「雪の時って傘さす意味あるんやろうか」という。
ぼくは「ささんかったらべちゃべちゃなるで」とこたえる。
行きと別の道を選んで帰る。
「15分かからんかったな」と言いながら家に入る。
弟は猫に向かって「ただいまー」という。
トースターでパンを温める。
「いやーおいしい」と言いながら食べる。
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