2015年3月20日金曜日

「僕と仕事」(10)「事務局」のない企画

不思議の国のアリス (新潮文庫)
『不思議の国のアリス』を読みます。
4月25日(土)開催。参加申込受付中

前回のつづき】

年明け。

夏頃から参加し始めて、定例メンバーで続けていたゼミ

友人を交えてセミ・クローズドで開催したところ、
思いのほか手応えがあったので、
「今度は参加者を募ってみよう」ということになった。

ある日、ゼミの定例メンバーで打ち合わせの機会を持った。
京都市内のカレー屋でひととおり話し、
そのあと、メンバーの自宅、
メンバー共同で借りている東山の和室と、場所を変えて話を続けた。
各々にとってゼミとはどのようなものか。
参加費はいくらに設定するのか。
人はどのようにして募集するのか。

話の途中で、おもしろいことが起こった。
以前「事務局をやる」と宣言していたメンバーが、
この日「事務局やめます」と宣言した。

どのような経過をたどったのか、細かく思い出すことができない。
ともかく、それぞれが見えているもの・感じていることを
率直に差し出していった結果として、「事務局」がなくなった。

先日、メンバーから「事務局をやる」と聞いてから、
ぼくは今回のゼミに対して少し受け身になっていた。

「募集までの段取りに関しては、また連絡があるだろう」
「打ち合わせも、いつかやるだろう」

でも、どこか変な感じだった。
ここ最近のゼミは「参加」しているというよりも、
ぼく自身も「運営」している、場をつくっている一員だという感じがあった。
「事務局」ができたとたん、さーっとその感覚が引いていった。

この日、「事務局」がなくなったとたん
「ぼくの企画である」という感じが戻ってきた。
同時に、頭がまわり始めた。

「誰に声をかけようか」
「広報文をつくりたい」

広報担当も、受付担当も決めなかった。
根っこの部分だけ共有して、概要だけきちんと決めておき、
各自で広報文は勝手につくる。
勝手にそれぞれが呼びかける。

これまでにぼくが当たり前だと思ってきた企画のやり方とは違っていた。
お金になるという確証もない。
それでも「これは仕事だ」という感覚が、確かに手元にあった。

(つづく)


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